« ライオネルHOの40フィート・ボックスカー | トップページ | 京阪びわこ号の連接構造は(2) »

2017/05/01

アサーンRTRの40フィート・ボックスカー(2)

Introducing changes of Athearn Ready-To-Roll boxcar models

11dsc09653

 古いブルーボックスばかりをずっとイジっているのだけれど、このところ発売されるRTR=レディ・ツー・ロール製品があちこち異なることに気が付いた。スライドドアの固定など、いくつかある。で、特価品を注文してみた。【画像はクリックで拡大】

 それがこの2両。引戸が車体と一体のモールドとなっていて、醜悪なカギツメが無い。2両は、ドアがスペーリアか、ヤングスタウンかの違い。

12dsc09660

 妻面のプレス・パターンを較べる。左のグリーンがBB=ブルーボックス、真ん中のイエローが新しいRTR、右のブラウンがMDCのAARで、新RTRはMDCと瓜二つ。

23dsc09634

 屋根のプレスの具合も、新RTRとMDCとが一緒。木製の歩み板も同じモールド。ただし、湘南色のEJ&E車は鋼製スロット型で、BBと同じ。

 側板の金型は、BBともMDCとも異なり、繊細。

22dsc09638

24dsc09647

 いつも気になる車高は、次のように全く問題なし。同じRTRでも1mm強高かったフリスコ車(過去記事)とは打って変わって、これは意外。

61dsc09677

 驚くのは床下。次の写真の真ん中と奥。慣れ親しんでいる魚骨フレームが無い。
 似ているのは旧MDCでもAARタイプではなくて、モダン・タイプのほう。それが手前。新RTRは、3つの機器を別付けとして、ブレーキシリンダーのピストン棒は正しく手ブレーキハンドルを向いている。もっとも、古めのプロトタイプにこの配置は微妙。四隅のステップは車体モールドと一体。
 床板の抜け止めは、“ボルスター端面隠し”の4か所に設けられていて、そこそこのホールド感。

31dsc09582

 台車のボルスターが異なるので、念のため心皿高さを測ると7.9mmで、まあRoundhouseのグレイン・ボックスカー用(シルバー色)と一緒。ただし、形状的には垂直荷重に弱そう。特に衝撃荷重が心配。

40dsc09667

41dsc09669 車軸の長さは、26.1mm。およよ、こりゃあ長い。Roundhouseは24.9mmだから、1.2mmも長い。そういえばアサーン公式サイトに別売パーツの33インチ車輪は、"Short Axle"と、"Long Axle(品番ATH90501)"があった。ことによると、発売は2004年で、知らなかったのは当方だけか?
 これはブルーボックスに最適。定価が8本で9.98ドルと高めだけれど、廉価品を探してみるつもり。

 でも、この台車構造や車軸長の違いが、値段やグレードに響くはずはない。

うぅぅむ、どういうこっちゃろ。
 RTRとRoundhouseとで、以前は時代的な区分けだった。2015年以降は、どうなったのだろうか。

 現在のアサーンのサイトで製品リストを参照すれば、40フィート車は、Genesisには存在しなくて、RTRとRoundhouseとで次のようなラインナップ。

 

Ready-To-Roll Roundhouse
Double Door Wood (ex-BB)
Express Single Sliding Door
Modern (ex-MDC) Grain Door (ex-BB)
Outside Braced (ex-MDC) High Cube (ex-BB)
Single Door Ribbed (ex-MDC)
Superior Door (ex-MDC)  
Youngstown Door (ex-MDC)  
赤字は推定

 でも、ブツが表示されていなかったり、イラストだったりと、状態がちっとも判らない。しいて勘ぐれば、次のような分け方でどうだろう。

(1)床板は、RTRがMDC由来で、Roundhouseが魚骨フレーム。ただ、引戸部分の抜け止め以外は互換性がある。

(2)引戸は、RTRがダミーで、Roundhouseが可動。

(3)側面の金型は、RTRが新製で、Roundhouseが旧品流用。

(4)車両全高は、RTRがスケール的で、Roundhouseが高め。

(5)値段は、RTRの方が2割ほど高め。

 価格の上昇分は、床板に3つの機器を取り付ける手間賃か。鉄板に極小の穴を3つ開けたのもコストアップ要因。
 全部を買って確認したいという好奇心はあるものの、フトコロが寂しい。入手の読者がおられたら、御教示をお願いしたい。

36dsc09640 ところで、EJ&E車のステップが1か所、“折れて”いた。もちろん、こんな具合に自然と折れるはずはないから、工場で修理したんだろう。瞬間接着剤を使ったようで、その残滓のために、当方得意のリモネンが効かない。完全な除去は不可能。車体の別の個所にはリモネンが有効だったので材質がポリスチレンであることは確か。
 メーカーが細くしたいのは解る。厚さを増せばいいものを、MDCの金型を流用したのでこの薄さ。売り物として工夫が足りず、欠陥商品だな。

別にブルーボックスの40フィート・ボックスカーばかり20数両をまとめて仕上げた。面倒なので床下機器の手直しは、ヤメ。成果は、Cascade Green Forever!や、ファンタジーボックスを乞う御高覧。

99dsc08525

【追記】これらボックスカーの基となったMDC製品の経緯に新しい発見があった。>>「MDCの40フィート・ボックスカー(5)

|

« ライオネルHOの40フィート・ボックスカー | トップページ | 京阪びわこ号の連接構造は(2) »

アサーン40'ボックスカー」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ライオネルHOの40フィート・ボックスカー | トップページ | 京阪びわこ号の連接構造は(2) »