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2017/11/15

カブリツキ阪急千里線の淡路以南

A report on Hankyu Senri-Line for the Shin-Yodogawa-Bridge and the elevated construction around Awaji Station

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 京阪沿線の我が家から神戸まで行くには、JR、阪急、阪神の3線があって、それらにたどり着くにもいくつかのルートが存在する。運賃の差がそれほど無いので、気分によって選ぶ。11月12日の日曜に阪急千里線経由とした理由は、淡路付近の高架工事を見たかったから。【画像はクリックで拡大】

 北浜で大阪市交堺筋線へ乗り換えると、やってきたのは阪急5300系。幸い、先頭部はガラガラ。カブリツキを敢行する。
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 天六=天神橋筋六丁目からは阪急千里線となり、乗務員が交代。研修だった。そして地上へ出る。
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 そのまま高架線まで上がり、城北公園通を跨ぐ。ほぼ真北へ向かうので、正午前後は順光。
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 次のカーブを曲がれば、この線区のハイライト、淀川を渡る。水色は長柄(ながら)水道橋。
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 うまい具合に、大阪市交の66系とすれ違う。橋の名称は「新淀川橋梁」で、1979年にガーダーからトラスとなったとのこと(ウィキペディア日本語版)。淀川は左が、すなわち西が川下。
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 トラスは近代的なワーレン。淡路寄=北寄がカーブしている。
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 渡り切ってすぐに淀川通を跨ぐ
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 Google Mapでは、カーブ部分のトラスの幅が明らかに広い。その上方、すなわち下流は、悲しい伝説に彩られる長柄橋(ながらばし:ウィキペディア日本語版)2017-12-10

 この淀川を越える鉄道は、なかなか面白い。次の地図で川下となる左から、阪神なんば線、阪神本線、JR東西線、東海道本線(下淀川橋梁)、阪急3本線、大阪市交御堂筋線、東海道本線(上淀川橋梁)、阪急千里線、そして城東貨物線(通称赤川鉄橋、予定おおさか東線)。地図を外れて大阪市交今里筋線、大阪モノレール。これ以外に道路とか水道、ガスが渡っていて、何が何だかわからない。
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Google Map

 そして柴島駅。「くにじま」と読む。跨線橋の左に高架橋端面が見える。この辺りから高架工事区間。
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 浄水場の横は、物々しい工事風景。
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 踏切名はたぶん「学童(がくどう)」(踏切ファンHP)。手前の鉄橋が何を渡るのかは不明。浄水場の導水管だろうか。
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俯瞰写真Google Map

 トンネル?へ進入。車窓は真っ暗となる。
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 信号待ちの末にやっと抜けて、淡路駅のクロス群。
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 下車して南方を振り返る。見晴らしの良いアングルは無理。残念ながらホームの先端部は立入禁止。左が今来た天六、天下茶屋方面。右が、京都線で十三(じゅうそう)、梅田方面。両線同時発車。
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 高架工事中の2階建てでも十分に高いのに、完成時の4階建て全高30メートルは想像できない。
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 淡路駅の北を望む。左が千里線北千里方面、右が京都線京都河原町方面。手前分岐器の下は人専用通路。
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 乗ってきた電車から見た千里線と京都線の同時進入。実をいうと、この2列車が3枚前の写真で同時発車となった。ダイヤは緻密に組み立てられているようだ。淡路が京都線全体の基点なのではないかと思う。右の出発信号機は4号線用(後述の非常渡り線を参照)。
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 続いて京都線大阪方の様子(ありゃ! 非常渡り線のレール頂部が光ってる:後述)。
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 その先。この辺りは直上高架かも。
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 崇禅寺(そうぜんじ)駅の北。
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 JR東海道本線をくぐる。ここの左から北(東)へ工事区間が始まる。東海道本線は、左が大阪で、右が新大阪、京都。
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 以上で報告は終わり。工事の概要は大阪市のHPへ。住民対策が主だから、我々の知りたいことは僅か。日照とTV電波が心配。線路については、関西プロジェクトファンのブログがお奨め。
Hankyu

 なお、今回通らなかった区間については、通勤経路とされるヤマさんのブログで随時伝えられている。

 オマケ写真は十三駅の横断地下通路。壁面の意匠が見事。右手前から、神戸線下の"わたせせいぞう"、宝塚線は歌劇と手塚治虫、京都線は牡丹で有名な洛西乙訓寺(おとくにでら)。広告が取れずに苦肉の策なんだろう。
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 もう一つオマケは、阪急神戸三宮駅ビルの工事風景。震災で変わり、また変わる。
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現淡路駅で起こっている渋滞を線路配置だけから考察すると、千里線の電車は上下とも駅への進入時に待たされ、京都線は上下とも出発時に待たされる状況となる。千里線の乗客は支線だからとヒガむかもしれないが、単に左側通行という理由である。すなわち、旅客が千里線から京都線へ乗り換えるときには一方または両方で待たされる確率が大で、京都線から千里線へはスムーズとなる。ただし非対称で、天六方面から進入できるホームだけが2本ではなく1本だから、この列車が割を食う確率は高い。実際に利用されている方の感想はどうなんだろう。
 次図はウィキペディアからの引用(一部改変)。記述には疑問符が付く。

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 この線路配置、見れば見るほど不思議。まず1号線が無い。そう、阪急では番線ではなくて号線という。これについては「Rail Story 8 阪急電車の謎2」に詳しく出ていた。
 もう一つは非常渡り線。京都線の梅田方は自明だけれど、それ以外は……っと、河原町方はシングルスリップの河原町寄がそうだ。4号線の河原町寄に出発信号機があった。5号線からは使えない。非常渡りごときに手間の掛かるスリップを使うとは、その事情を知りたいもの。(渡り部分のレール踏面が光っているので、常用されている! 北千里から正雀車庫への回送列車でもあるのだろうか? 逆は梅田寄の渡りを使わないと無理)
 そして、千里線はどうするのだろう。京都線のそれらを使ったらこっちがマヒしてしまう。割り切って単線運転かもしれない。

【追記2】SDカードに画像データが残っていて、梅田寄非常渡り線のレール踏面が光っている……ということは常用されているようだ。写真を追加しておいた。2017-12-04

【追記1】高架工事の始まる前、2010年4月に訪問されたリポートを見つけた。「駅の風景・阪急淡路駅」。2017-11-17

【追記3】淡路駅のGoogle Map航空写真を貼っておく。まず梅田寄。
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 次は河原町寄で、城東貨物線(おおさか東線)や東海道新幹線との関係。阪急の高架はこれらの上を超える。
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コメント

初めまして。ちょくちょく拝見しています。小生も京阪沿線です。40年ほど前の学生時分は大阪市内在住で千里線で大学へ通ってました。その当時は北千里から淡路止めの列車があり4号線から折り返して正雀方向へ出ていきました。何度か乗ったことがあります。

>>なるほど、そういう使い方ですか。御教示ありがとうございました。これからもよろしくお願いします【ワークスK】

投稿: 松島宏樹 | 2017/11/26 08:34

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