伊藤剛さんの記事に寄せて◆高松市の三木氏
高松市にお住まいの方からメールを頂戴した。当方の伊藤剛さんを偲ぶ駄文に御自身の思い出を綴られたものである。添付していただいた写真を交えて紹介する。【画像はクリックで拡大】
……前置きが長くなってごめんなさい。本題に入ります。
先ず、お約束?の画像をご覧に入れます。先刻お知らせしたように、模型工作は駆け出しの頃のお粗末な作品、恥ずかしい限りです。貴サイトで尊敬する大先輩の記事と消息を拝見して大変喜んでおります。感謝感激です。
左端のOゲージ凸型電機は伊藤剛氏の「凸電」のイラストを参考に(TMS誌の「高級モデルノート」)。キャビンはモータのサイズにぴったりに作りました。界磁に巻き線があるタイプで相当古い物です。時期は1962年ころ。蛇足ですが、凸電のモータはその後、小型のルーターに転用しました。 ピンバイスをチャックに使っています。
タンク車はビールのアルミ缶を竪横変換して丸め直した物です。ガラ・レールは2線式で片側絶縁、車輪も絶縁加工しました。
そして右端と次の画像が伊藤剛氏の作品をヒントに作った「パワーシャベル」です。原型の立派な全金属モデルとは異なり、これはブリキに木材とゴムなど併用しています。キャビンなどはボール紙で作りました。マブチの3V型マグネット・モータを6個、バケットの底に電磁石が1個。有線でコントロール。当時はセレン整流器のお粗末な物しか無く、伊藤氏が採用した「リミットの安全」策はありません。
唯一自慢?は360度自由旋回が可能。竹の子型のスリップ・リングでキャブ側へ給電しました。クローラ部分の駆動、当初はウォーム・ギャーで一気に減速。でも、これは非力なモーターには不向き。苦心して平ギャーを多数並べる方式に変更して効率が良くなり、自由に「しん地旋回」できます。次が竹の子型のスリップ・リング部分です。センターは細いピアノ線でピボット軸を兼ねています。
バケット底蓋の電磁石は極く薄型ですが、これは専門のエレキ(苦笑) 何とか爪の引き込みを実現しました。蓋の重さだけで角度によって爪が引っ掛かる動作は、微妙なバネの強さを要求されました。
次は、ほぼ同じ縮尺の鉄道模型と船の模型。角倉氏の作品を真似た2.5フィート・ナローの1/45。船は1/40です。
「高級モデルノート」に掲載された糸屋誠祐氏のライブスチームの機関車も真似て作ろうとしました。1/45のボックス動輪を入手できたので、32ミリ・ゲージで1/32くらいのC62を設計して‥‥結果はボイラーを完成できず、また、設計能力の不足から計画は断念しました。
伊藤剛氏といえば「もなか」にも凄腕でしたね。例のパワーシャベルでは「鋳物製バケット」を再現。低速走行用脈流装置に付けた空気式ブレーキ弁操作の着脱式ハンドルなど秀逸です。薄い真鍮板を巧みに加工して作る曲面、それを裏表2組作って合わせると鋳物製らしい厚みと重量感が出るという物。模型作りで面白いけれど、なかなか真似のできない逸品でした。
C62の従台車の鋳物を再現?こんな物はNゲージでも落第の作品‥‥。
その後、渡辺精一氏と東京OSライブスチームセンターでお目にかかる機会がありました。丁度、運転後のOSマウテンを整備しておられました。本郷のお宅に見学に伺がったり、氏の船舶模型と蒸気機関も知りました。当時、既に5インチのタンク機を完成しておられました。同氏からいただいた舶用蒸気機関など3枚の写真です。
また、旋盤にフライスと本格派?物を入手したのですが‥‥鋳物や参考書を東京のベルメックスで、銀座の西山書店にも出入り。1979-80年に一念発起して、船舶用のスチーム・プラントを製作。それを木造のタグボート(古典型)に載せてラジコンで走らせることに成功しました。
鳴門市の納田様とも出会い、次のような5インチ・ゲージの素晴らしい作品を沢山拝見するうちに、すっかり自信を喪失。機関車は断念しました。だんだん取り留めのない話になって恐縮です。
最後はオマケで、フルサイズの実物です。運転席もありません。端に立って乗るようで国鉄ゲージです。中心のある二又の棒に自連が引っ掛かるのでしょうか。これ以上「小型」の機関車は、まず、無いと思います。場所は香川県の東部、東かがわ市に「水主」という所があります。そこにC11蒸機を保存している場所があります。そこに一緒に並んでいました。近くに水主小学校があったような。撮影時期、すっかり忘れました。多分1985年ころです。
以上です。
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