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2018/08/24

46年目の組立式レイアウト防音化

A noise reduction method of HO gauge layouts

Tms201809cover 鉄道模型趣味誌に記事を掲載していただいた。2018年9月号である。若い頃に作った組立レイアウトの走行音を下げる話だから本来は効果を耳で確認していただきたいものの、紙の雑誌では無理。ということで、ここに披露することとした。

 なおTMS誌に投稿した理由はもちろん、このレイアウトの完成発表が同誌1971年8月号だったことによる。
 それともう一つ。組立レイアウトにおけるジョイナー無し方式の発案者で、雲竜寺鉄道など1960、1970年代にTMS誌上で活躍された荒崎良徳氏が亡くなられたことを読者にお知らせする意図があった。【画像はクリックで拡大】

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2017年9月の関西合運会場にて

 以下、記事では省いてしまったコマゴマとした経緯を書かせていただく。

発端は、カトー・ユニトラックのコンクリート枕木付の発売。2014年だったか、すぐに有馬急行電鉄が御購入。問題はここで、同電鉄社主が「走行音がうるさい」と言い出されたことだった。
 車両を転がしてみると木枕木とは明確な差がある。材質と重さは一緒。異なる点は犬釘部分というか、レールを固定している部分がコンクリートはキツめになっていることだった。

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枕木方向にレールを指で揺すってみると、木枕木の方のホールドが少し緩い

 同電鉄のレイアウトはユニトラックのみで構成されていて、細長い座卓を並べた上に敷設される。その座卓のフチを避けるために5mm厚のスポンジ板を全線に敷く。これは、東急ハンズで「グレースポンジ」という名で売っていて200×330mm。ネットで検索すると、材質は天然ゴムという。これで音が若干緩和される。

当方に秘策が浮かんだ。
 なんのことはない、ユニトラックの裏面に鉄板を厚手両面テープで貼り付けるという方法である。鉄板ならアメリカ型貨車用のウエイトが余っている。ただし、寸法がピッタリとはいかない。一部に鉛板も使った。実をいうと現役時代に工場設備で経験があった。

 結果は上々! ものの見事に静かになった。それを2015年5月に開催された京都トンネルクラブの20周年記念運転会で披露した。単に直線2本を繋いで、貨車を転がしただけだったけどね。
 このときの数少ない理解者の御一人、高急グループのヤマさんから鉛板(1ミリ厚)をいただくことができた。

ただし、この鉛板を貼り付け始めたのだけれど、大変な作業。特に曲線部分は裏の仕切り毎に切る必要があった。
 悪戦苦闘していたら息子から、自動車の車体鋼板裏面に貼り付ける防音シートの存在を教えられた。探すと日本特殊塗料という会社の「防音一番オトナシート1.5ミリ厚」が良さそうだ。三河高原鉄道さんが10数年前に彫刻機で使っておられた(同サイト)。

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片面の裏紙を剥がせば粘着ノリ付きで作業性が良い

 さっそくネットで取り寄せた。カッターナイフでサクサク切れて、曲線部分には直線で切り出したものを曲げて使える。モールドの出っ張りはマイナスドライバーの先を押し付けたら簡単に馴染ませられた。緩和曲線を導入したユニトラック(過去記事)も、継ぎ目板の上から貼り付けることができた。孔明けは千枚通しで突くだけ。ただし、1枚では防音効果が薄く、2枚を貼り重ねることとした。3枚は試していない。

HOゲージ・ユニトラックの防音化
上から順に、半径790mmの製品のまま(34g)、鉄板と鉛板の混成(126g)、鉛板(134g)、オトナシート(81g)、一番下が緩和曲線部分にオトナシート

 その効果を動画でお聴きいただこう。木枕木で防音化は左半分。

 半径790mmのエンドレスを、5分弱の間に10周する。最初は中速度で3周半、次に高速度で4周、最後が低速度で2周半という具合。

 ところが、様子を覗いた家人は「速度が緩くなったようで、迫力が無い」と言うではないか。確かに‥‥。もちろん、周回中はパワーパックのツマミを弄っていない。

気を良くして、クダンの組立レイアウト(過去記事)でやってみた。防音化は右半分。

 うぅぅむ、イマイチ。
 効果が皆無ではないが、劇的とは言えない。それが動画の題名を「その1」とした理由。「その2」は2017年9月開催の関西合運で撮影するつもりだった。ここから、TMS誌2018年9月号へと続く‥‥などと勿体ぶる(笑)

 現在、部屋にレイアウトを拡げられる状態にないので、最終的な結果をお見せできない。いつになるか目途が立たないけれど、いずれここに披露するつもり。おまちあれ!

【追記1】エゴサーチの一環として「ユニトラックの防音」で検索してみると、この記事が引っ掛かってうれしくなった。ただし2番目。1番目は「Yahoo!知恵袋2009/11/8」で、答えを読んで唖然。

 なになに、ベストアンサーは「ユニトラックなどの道床付レールは、そのままでも防音・振動に効果があります(フレキシブルに比べれば)」だって。そりゃあ無い。
 「ベース(ベニヤ板)の上に、発泡スチロールやスタイロフォーム」という方法は、仰る通り効果があるだろう。ただし、ユニトラックの簡便さを損なう。固定しないのであればパンチカーペットが一般的。

 別の回答者はまず「重く厚い素材でベースをがっちりと工作することです。目安は大人が上に乗って作業をするのに何の不安も感じさせないぐらい」という。重さは正しい。しかし“がっちり”は必要な条件ではないし、あまりに大げさ。
 「内部空間を無くしてしまうことです。発泡スチロールを隙間という隙間に詰めて」というのはどうなんかなあ。当方は、この組立レイアウトの1セクションの空隙をスポンジで埋めているけれど、全く効果が無い。

 ことほど左様に低レベル。40数年前から変わっていない。2018-09-12

【追記2】有急社主に指摘を受けた。曰く「問題は曲線。原因はカントと違うか?」  確かに木枕木では付いていなかった。音を確認すると、もちろん直線でもはっきりと認識できるほどなのだけれど、曲線の方が遥かに差がある。

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 まさか、カントそのものが原因ということは無いだろう。理屈が考えられない。
 この写真を見ると、レール単体が、曲がると同時にねじれていることが分かる。レール保持が直線より断然強固のようだ。
 そう、防音化のもう一つのカギは、レール振動の遮断。

 なお、この写真で木枕木のレール踏面が一部、黒く汚れている。これは、ユニトラックを重ねて運んだときにオトナシートが転写されたもの。こういう注意点はある。もし鉛板の加工と重さ、コストを苦にしないのであれば、そちらの方が効果が高くお勧め。2018-09-14

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コメント

「1971年8月号」のTMS誌の記事は、私が初めてK&Kワークスさんの署名原稿を拝見した記事なので、今でも鮮明に記憶に残っています、未だ中学生だった筈ですが、若い頃に拝見した記事の内容は還暦過ぎた今でもかなり高い確率で覚えているモノですね。自動車の防音用鉛シート、大昔だったら釣り道具に使う鉛の重りなんかを流用しそうな気がします。

>>コメント多謝。大阪ではマッハ模型が“フレキシブル・ウエイト”の名で売っていましたね。細粒が“ミクロ・ウエイト”でしたか。“シール・プライマー”にしても、同店の命名には妙に納得させるものがありました【ワークスK】

投稿: 松本哲堂@風雅松本亭 | 2018/08/24 05:40

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