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2019/01/01

ウォルサーズの50'ワッフルサイド・ボックスカー

Coupler-cushionizing projects, part 22: Walthers 50 foot waffle-side boxcars

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 近代的なボックスカーは屋根がシルバーとなっている。1970年前後から増えだした。
 ならば、模型製品の構造を、従来のように床板別体ではなくて、屋根板をフタのように被せたら塗装が簡単。床下面が車体と同色のことが多いのだから合理的……と考えるのは自然な流れ。それを具現化したキットがこれ、ウォルサーズ社のワッフルサイドである。【画像はクリックで拡大】

その構造は部品構成と説明図で一目瞭然。そしてラインナップの中のMEC車が“Modern Efficient Cushioning”というキャッチフレーズ付きで、明らかにクッション・アンダーフレーム化を待っていた。

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 早速入手して、同社製伸長ポケットを例の方法で取り付けた(過去記事)。ポケット本体が車体と一体なので勝手は異なる。それが3年半前。

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 ところがポケットの出代が大き過ぎる。左のディテールズ・ウエスト製と較べて倍ほど。

短くしなければと思い続けて3年半が経ってしまった。屋根板を外せるようにしていたから方法は簡単。単に糸ノコとカッターでポケットを切り取って、床上面に新たな取付ベースを貼り付ける。始めればあっという間に次の状態となった。少々荒っぽいが、ポケットを再利用できた。

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 床上面に貼ったのは1.2ミリのプラ板の2枚重ね。ポケットは1.2ミリのスペーサーを挟んで小ネジ止め。ポケットの出代はディテールズ・ウエスト製に合わせた。ついでにポケットと魚骨フレームをイエローとした。

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 これが車内の様子。床上面に2.4ミリ厚プラ板を貼っている。チラリと見えるグリーンはウエイトの鋼帯フラットバー50グラム。
 左は屋根板で、端部下面にプラ板1.2ミリを追加している。その幅をキチキチに調整すれば、車体に接着しなくてもこの程度で十分固定される。

 ということで完成。手ブレーキハンドルを塗り替えたこともあって良い雰囲気になった。

Maine Central

他のワッフルサイドもご覧いただこう。これらはクッション化をしていない。

Burlington Northern

Louisville & Nashville

Seaboard System

Chattahoochee Industrial Railroad

さて問題は、このサイドの“膨らみ”。側板の強度アップのためでないことは当ブログの読者なら先刻ご承知。車内から見れば窪みとなる。この小さな凹み毎に積み荷を固定するための金具が仕込んであるわけ。
 旧来は、骨組みを挟んで外側が鋼板で、内側が木板張りだった。この木板に角材などを釘打ちして積荷を固定していた。それが1950年代から荷崩れ防止用のローディング・デバイスが普及した。係留金具lading strapや、エバンス社のDF、さらにP-S社のコンパートメンタイザーなどである。そうすると木板内張りが不要ということで、鋼板を内張りを兼ねた外板として使うエクステリア・ポスト構造が主流となった。その際、内容積を確保するためにローディング・デバイスを窪みに収めることとした。それが外観上からワッフルサイドと呼ばれるようになった。
 ただし、1970年代後半にはワッフルサイドが絶滅する。内容積は車高と車長を増やすことで十分になったということか。(荷崩れ防止がローディング・デバイスloading deviceから、ダンネージdunnage=緩衝材へ変化したことが大きいようだ。アメリカ型鉄道模型大辞典「ダンネージ」を乞う御参照。ただし、どこかに解説があるというわけではなくて、単なる推察。2020-08-16)

 屋根のシルバーは、塗装ではなくて、ガルバナイズド・アイアン・シート、いうなれば亜鉛引き鉄板、トタン板。再塗装のときには車体と同色とされた。これがSBD車なのだろう。

 こんな解釈でいいのかな。ワッフルサイド消滅とシルバー屋根については自信が無い。

製品の登場は1992年、MR誌では1月号の広告が最初。次は8月号の1頁大。

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 プロトタイプはプルマン・スタンダード社製だという。MRG誌の1985年11月号p64や1992年7月号p24-25に実車写真が載っている。50フィートPS-1の発展型のようだ。

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コメント

☆ あけましておめでとう御座います。

  1日からDEEPな記事掲載、ご苦労様です。
  記事の内容を見て、マイ・デスクに
  置いてあるボックスカーと比べてみて
  おぉ!Walthersのものと確認した次第です。
  10数年前に通販で入手したものです。
  最近は動かさず、少しの車両をデスクに
  飾っています。年始くらいはお座敷運転
  をしたのですが、、実現できるでしょうか。
  今年もよろしくお願いします。

>>おめでとうございます。
 これ、ラインナップに変化を付けられる格好のモデルですね。キットのランナーに"MADE IN DENMARK"の陽刻がありました。ヘルヤンHeljanでしょうか【ワークスK】

投稿: SDTM | 2019/01/02 07:10

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
イベントが多くて計画したようには製作が進みません。

>>おめでとうございます。
 当方は大掃除以降コタツ守です【ワークスK】

投稿: ヤマ | 2019/01/03 16:20

 見えない部分も含め丁寧な仕上げをなさっていますね。昨夏拝見したBNカバードホッパー水準を彷彿とさせる工作ぶりに感心致します。

最近、私の方はサンタフェのショックコントロール貨車を床下ディテール放置(外観が判らなくて)+ウォルサーズ伸長ポケット装着で幾輌か作りましたが、やはり若干ポケットがお辞儀しています。連結器は走行性能に直結しますので貴ブログを改めて拝読中です。

今年は前半に車輌作製、後半はストラクチャーや展示ベース作製に取り組みたいと思いばかりが先走ります。都度、貴ブログを拝見して質を高めていきますので宜しくお願い申し上げます。

>>コメント多謝。遠大なご計画に羨望です。当方は全くの行き当たりばったりで、ここ数年加工してきたポケットを軒並み作り替え中です【ワークスK】

投稿: 屋根裏親仁 | 2019/01/06 07:17

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