アサーンの50'プラグドア・ボックスカー
アサーン公式サイトpdfファイル1.61 MB、再構成
当方は4年前にRTRブランドを2両入手している。ご想像どおり、車体高さを下げるのに苦労をした。今回は、それらはひとまず置いて、古いブルーボックス・キットの加工方法を整理してみた。実をいうと、8年前の記事の改訂版。他の50フィート車と共通点が多い。
まず、キット組立説明図。メカニカル・リーファーとは燃料タンクの有無だけ。
■改良の基本は40フィート車と一緒。ウエイト鉄板を同じ1.5ミリ厚のプラスチック板で置き換える。色がブラックだと塗装が不要。鉄板は床板上面に厚手両面テープで貼り付ける。
50フィート車の異なるところはカプラーの取付面高さ。40フィート車の場合は、魚骨フレームの心皿厚さが4.2ミリあって、台車心皿高さ7.3ミリと合わせると、11.5ミリとなり、ケーディーカプラーの取付高さにドンピシャ。
一方50フィート車は、心皿厚さが0.3ミリ少ない3.9ミリ。よって、この部分に0.3ミリの段差を付ける。すなわち、カプラー部分を1.2ミリとする。その関係が次図。プラ板貼り付けには流し込みタイプの接着剤を使う。
もちろん、これらの寸法には幅があって、数字は目安。8年前には勘違いして、この1.2ミリ(黄)を0.7ミリとしていた。強弁すれば、カプラー高さがこの程度上がる分には問題が無い。下がるのは解放ピンを引っ掛ける傾向だからアウト。
1.2ミリ厚(黄)プラ板の幅はポケットよりわずかに広いぐらいで十分。写真の狭幅ポケット(#262 Kadee site)は材質がポリアセタールで滑り易いから、回り止めを追加している。取付ビスはナベ小ネジM2×6。
台車は長軸の33インチ(9.5ミリ)金属車輪へ交換(過去記事を参照)。中心ピンはUNC#2-56×5/16インチ(7.9ミリ)。
これで、レール面上の屋根歩み板高さが52.5~53ミリとなる。プレートBが52.8ミリなのでちょうどいい。
■アサーンBBといえば、床下機器の左右間違いが“名物”。走らせる分には無問題なので、当方も直すのは気が向いたときだけ。その場合、機器を魚骨フレームに接着すると、後刻何かと便利。また塗装で吹き残りが発生しにくい。
このプラグドア車で大きな課題はステップstirrupの折損。少々複雑な形をしているので、破片を失うと再生するのに四苦八苦。
労力を惜しむ向きには、ティッチー・トレイン・グループ製のハシゴ(品番3076)の下だけ切って使う方法がお勧め。流し込みタイプのリモネン接着剤によるイモ付けで、ソコソコ強度が出る。Aラインのリン青銅製(品番29002)はリアルではあるけれど細過ぎて、4つ全てを交換しなければ揃った感じがしない。
あとは、手ブレーキ・ハンドルの塗装。周囲のカラーと同じとすれば、見映えが格段に向上する。当方は気分が乗ったときだけ。
■クッション・アンダーフレーム化の一番簡単な方法は、床板を丸ごとディテールズ・ウエスト製に交換してしまうこと(過去記事を参照)。無加工でピッタリとはまる。アサーン自体の完成品もこうしてくると思う。垂直シリンダーが特徴的なハイドラクッションとすることも出来る。
ただしこれ、7.98ドルと高価で品切れも多い。このところは専ら自作の伸長ポケットを使っている(過去記事)。
我がコレクションからこのモデルをピックアップしてみた。結構多い。
San Diego Model Railroad Museum 1986
Rensselaer Model Railroad Society 1983
New York Society of Model Engineers 1986
Athearn/Horizon Commemorative 2004
Peco/F&H Enterprises (2019-12-08追加)
次の2両はRTRブランド。床板とウエイト鉄板の上下が逆だったりとアサーンも工夫している。加工過程はまたいずれ。
■発売された頃の情報を探してみた。この時分にアサーンはMR誌には広告を出していない。
Walthers HO Catalog 1971 summer版p27(再割付)
"Modern Billboard"というシリーズがなぜか26パーセントも高い。呼び名がのちに発売となった新製品との関係で変わっていく点が面白い。そして50年間生き残っているのだからすごいものだ。
プロトタイプは、冒頭のメーカーpdfファイルによれば、プルマン・スタンダードPS-1でドアのバリエーションというけれど、それだけではない。プラグドアの目的は"insulated"、すなわち断熱。冷凍機を持っていないリーファーで、我が国でいう保冷車。積み荷が高価で、荷崩れ防止用のローディング・デバイスやクッション・アンダーフレームを装備する。モデラーの楽しみどころが満載だ。
ちなみに、あるモデラーはACF製が近いといっている。
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