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2019/11/30

AHMの40フィート・ゴンドラ

AHM-red-yellow-white-logo-web.jpgUpgrading the freight cars supplied by AHM, part 1: 40-foot gondola

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フラットカーやオープンホッパーもそうなのだけれど、ゴンドラは空荷では重量を確保するのが大変。しかしゴンドラには上げ底という手がある。今回はそんな工夫が盛り込まれていたAHM製品を取り上げる。ついでにバックマンも。【画像はクリックで拡大】

実はAHMと思しきモデルが手元に3種類ある。リバロッシRivarossiが2つに、ロコRocoが1つ。

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写真の左がクラウンの手本になったと考えられるリバロッシ。以前お見せしたときは茶色だった。床上にウエイト鉄板を置くスタイル。
 真中もリバロッシで、床を2重としてその間にウエイト鉄板をはさむ構造。上の床が車体と一体で、下の床が外れる。
 右はロコで、リバロッシの2重床と同じだけれど、寸法をギリギリまで薄くした設計。
 ゴンドラの深さは、リバロッシが14.7ミリと11ミリ、ロコが12.5ミリとなっている。もちろん14.7ミリは数字通りの寸法とはならない。

中で、一番最後と思われるロコ製品を改造した方法を説明する。

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一番右の緑色が製品そのままの姿で、カプラーの直上に下床板固定の爪が見える。これがAHM製のこの頃の特徴。
 車体の下部にウエイト鉄板をはさんで下床板が取り付けられている。

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鉄板を同じ厚さの鉛板に置き換え、カプラーの取付小ネジで床板と鉛板も固定する。ナベ小ネジはM2×8を使った。これだと1ミリ弱が床上に出るので、できればM2×7が欲しいが、私は気にしない。
 上床板の裏にプラ板1ミリ厚の小片を接着してメネジ代を確保する。上床板の厚さ1.5ミリでメネジ代は2.5ミリとなる。この辺りの寸法は辛く、タップ切りは慎重に。丸いボス2つは削り取る。
 下床板下面には0.5ミリ厚プラ板を接着し、カプラーの取付面とする。台車にマウントされたホーンフック型は切り取る。車体から伸びる爪などは適宜切除する。

問題は台車の材質。一般的なポリアセタールではなくて、車体と同じポリスチレン。割れやすいので、取付爪を車体に差し込んだり取り外す際は細心の注意を要す。また、原理的に軸受の抵抗が大きいのでグリースを塗る。
 車輪は短軸(約25.5ミリ、インターマウンテン等)を使う。それでも突っ張る場合は、車輪をはめた状態で金床の上に片方の軸箱を置いて他方の軸箱の上から金槌か何かで軽く叩く。軸箱には(ほとんど)傷が無くて、あら不思議、車輪はフリーロールするようになる。

以上で完成。プラ車輪付きで65グラムだったものが、金属車輪化もあって88グラムとなった。NMRA推奨値では110グラム欲しいけれど、一応は十分。>>Cascade Green Forever!


New York Central Railroad


Penn Central Transportation

リバロッシの2重床もプラ板の厚さが異なるものの、方法は一緒。ただし、まだ空間があるので、0.5ミリ厚の鉛板が入手できれば20グラムは増やせそう。


Utah Coal Route:これ、ウルリッチUlrich社の車番と一緒。その製品名はGeneral Service Gondola。UCR車は1960年版カタログで追加された。ジェネラル・サービスというけれどドロップ・ボトム・ゴンドラで、ダイキャスト製。UCRの実車は、Wikipedia英語版によれば約2,000両が石炭輸送に使われたという。側板と妻板が固定だと人力では下ろせないからドロップ・ボトムは道理。我が国のトムは側面がアオリ戸だった。

バックマンは、クラウンの記事でチラリとお見せした。車体モールド一体の床の上にウエイト鉄板を置き、その上を模擬床で覆う構造だった。そのため模擬床がキチキチにはめこまれていて外すのに苦労をした。一部が割れてしまった。


Wabash Railroad

ゴンドラはもちろん、積荷があっても無くても面白い。

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