MDCのモダン・スチールカブース
もちろん、こんなスタイルがサンタフェにいたはずは無い。どこだろう? 3つの窓とキューポラ側窓はリオグランデに似ている。しかし、側窓の高さは異様。カブース多しといえども、この位置は皆無。それに車端デッキの狭さと床下……。あああぁぁ! オーバートン客車だ。トラスロッド用のクイーンポストが立っている。屋根歩み板は木製で手ブレーキハンドルは水平だし、どこがモダーンなんだ。ビッグブランドのラウンドハウスなのに……。調べると1978年末の発売。そういえば同じ頃に2ミリ幅広のFMCボックスカーを出していた。
検討したら、クッションカプラー化が可能。ケーディーの幅広ポケット#242を使った自作アダプターの長さと厚さを変えれば取り付けられる(過去記事)。床板をわずかに削れば車端デッキ上面にネジなどが現れることも無い。やってやろうじゃないか。
バラシ作業は、コテコテに盛られた接着剤が大変。慎重にナイフの刃先を差しこんで切り離す。ご丁寧にも車体モールドの床板を切り抜いて鉛板が仕込んであった。前所有者は室内を作り込むつもりだったのか。
屋根板を車体への差し込み式とする。こんな造作で十分。床下機器は実車写真を参考にプラ材で適当に作って接着。少々大きかったか。トラスロッド構造には必要なかった中梁を新設。手ブレーキハンドルのスタンドは1ミリ角棒などからデッチ上げ。煙突は1.6ミリ丸棒で作り変え。
ハシゴはアサーンの別売パーツ。屋根が床板よりも長いので、このままではハシゴは斜めになってしまう。それで、根元の1段をZ形に曲げた。軟鋼製なのでそこそこ柔らかい。実は、このハシゴを入手できたことがキットバッシュの直接の動機。なんと日本の通販模型店トレインデポに在庫していた。
キューポラの窓は、前後半分ずつを塞いだ形とする。0.3ミリ厚プラ板を接着。
平屋の窓は、中桟を切り取ってしまい、上部1/3ほどを塞ぐ。0.7ミリ厚のプラ板をはめ込んで接着。要するに1段上昇窓という設定。これらの部分は車体色に合わせて筆塗り。はみ出さないように慎重に。上手く合わなくて2度塗り重ねたからムラが目立つ。
屋根と床下は、缶スプレーで茶色の上に赤色を重ね塗り。赤色は薄くサッと‥‥。で、なんとか色味は合った。
車体モールドの手スリには、白色の水彩アクリル絵の具を筆塗り。出っ張り代が極めて少なくて失敗するので、そのときはテッシュに唾をつけて拭き取る。それでも出来栄えはムサ苦しい。
車端部の手スリとハシゴは白色のプラ用ラッカー。
全体にツヤ消しクリアーを吹く。ただ、ツヤの程度は揃っていない(乞う御助言)。窓ガラスを入れて、組立。>>Cascade Green Forever!
どうだろう。モダーンに見えるだろうか。奥はバックマン製のアサーン・クローン(過去記事)。
イメージした実車はカブース写真集第4巻の裏表紙(1980-07-19撮影)。窓は安全ガラス規制後だし、台車はローラーベアリングのバーバー・ベッテンドルフ型、屋根歩み板は鋼製と、気になる部分ばかり。でも、このタネ車をいじる限り、これ以上のお金と手間は無駄。インターマウンテンが作っている。もとより、私の目指すところはプロトタイプ・モデリングではないのだ(と、大見得!(笑))
ところで、Roundhouse Products (Model Die Casting)のこの製品が最初にMR誌に登場したのは1979年1月号p12で、アンデコと6鉄道名を発売と報じられた。そしてWalthersのHOカタログ1980年版のp82が次。写真はブラックのD&RGW。
見本写真がオンタリオ・ノースランドとなって2000年代前半まで延々と掲載され続けた。
【追記3】キューポラの両妻板に車番デカールを貼り付けた。2021-03-16
【追記1】側窓位置の高いカブースを見つけた。カブース写真集の第1巻だから東部の鉄道で、MEC、BAR、B&M、NH、D&H、NYS&W、DL&W、Soo。特にPRRはモデルを持っていた。2段窓もある。うぅぅむ、滅多なことは言えない。2019-11-30
【追記2】保存車を見物した話をアップした。>>「サンタフェのノーザン4-8-4とスチールカブース」 2020-07-27
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