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2019/11/15

香港クラウンの貨車(3)40フィート・ゴンドラ

How to upgrade freight car models manufactured by the Crown Products in Hong Kong, part 3: 40-foot gondola

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1963-1964年に登場したクラウンの貨車を弄る3回目はゴンドラ、いわゆる無蓋車。ケーディーカプラーを取り付ける方法を2つ、試してみた。【画像はクリックで拡大】

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製品のままの状態。積荷は水色の砕石(gravel)

(1)カプラーのケーディー化

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1つは、前回のタンクカーと同じで、左右復元の縦軸を2.2ミリから3.2ミリに取り換える。カプラーポケットのフタを流用したが、フタに段が付いているので縦軸の出代を慎重に調整する。
 ポケット内の天地寸法が少し大きくて、カプラーのヘッドが垂れる。で、0.3ミリ厚の敷板をかました。これは0.5ミリ厚の黒色プラ板から削った。なお製品のフタの材質はポリアセタールだから敷板とは接着不可。フタと敷板を一体としてポリスチレン樹脂で作り直した方が良かったかもしれない。カプラーの擦れる面を無塗装として、摩擦を軽減したつもり。(この方法よりも、ポケットの縁が0.3ミリ低くなるように削る方が簡単で確実。さらにカプラーのシャンクはポリアセタールのフタを擦るので摩擦が少ない。2019-11-17)

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もう1つのケーディー化は、カプラーポケットに狭幅の#262を使う。車体モールドのポケットを少し削ると、これがスッポリと収まる。ただし、取付高さが下がるのでカプラー本体を下シャンクの#147とする。

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両者を連結するとこんな感じ。好みもあるだろうが、狭幅ポケット+下シャンクの方が遥かに簡単。留意点は、取付部の床板厚さが2ミリしかないことで、メネジ代としては心許ない。呼び径の倍の4ミリは欲しい。
 ここで大問題が発生。この狭幅#262ポケットがケーディーのオフィシャルサイトから消えていた。どういうこっちゃろ。

(2)積荷とウエイト

ゴンドラの悩みは丸見えの車体内側と重量(質量)。このモデルは床上面に鉄板を取り付けたけれど、積荷でカバーしたのでグッド。内側の四隅に積荷カバーを支えるデッパリがある。もちろん鉄板は塗装して、厚手の両面テープで固定した。これで総重量は90グラム。NMRA推奨値110グラムに足りない20グラムはいつでも追加できる。

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製品の積荷は冒頭2枚目の写真のように水色。アメリカでは無煙炭(アンスラサイト)がブルーに着色されて販売されたことがある(バウザー製ホッパー参照)ので、これもアナガチ絵空事ではないのだけれど、我が国では馴染みが無い。黒色では石炭で月並み。手持ち塗料の都合から白色としたが、大理石と強弁できるだろうか。硫黄だったら黄色かな。

(3)床下機器と手ブレーキハンドルを塗装

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床下全体が車体色で、機器だけブラックというのも落ち着かないので、これらも近似色に塗った。それにしてもこの機器配置は無茶苦茶。直すのは面倒なのでこのまま。
 台車などのポリアセタール製パーツが粉を吹いていて、古歯ブラシで擦ったら黒味が出た。強度は落ちていないようだ。金属車輪化についてはボックスカーの記事をご覧いただきたい。

(4)リバロッシやバックマンとの比較

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クラウンの貨車5種類のうち、このゴンドラだけアサーンに似た製品が無い。ジャンクの山を引っ掻き回したら、2メーカーのものが見つかった。写真奥の茶色がリバロッシで、酷似のレベルではあるもののボス寸法などが微妙に異なり、金型は明らかに別。
 真中の緑がクラウン。
 手前の黒がバックマンで、床下面のモールドは全く別物。例によってカプラーが台車マウント。ウエイト鉄板を床面上に取り付け、さらに模擬床で覆っていた。それ以外の車体は金型流用レベル。写真はどれもジャンク品で、ついでに弄っているところ。

この辺りでストーリーを組み立てようとしたら、別に保有のリバロッシと、さらにロコ製品がウエイトを下方に抜く構造だった。同じクラウンでも床裏面の刻印に"NO. C152"と"NO. S120"とがあって、何が何だか分からなくなってきた。当方がすべてを持っているわけでもないし、しばらくは様子見。

クラウンのゴンドラは6色が発売され、PRR、SPとEJ&Eを入手した。他にはD&RGW、T&PとB&Oがある。>>我がコレクション


ジャンク品を家庭用洗剤で洗ったらグリーンの車体とEJ&Eのレタリングが現れた。

さて、ジャンクの2両は塗装とレタリングをしなければならない。ただし、こだわっているBNには40フィート車が見つからなかった。どれも長い。一方前身のGNとNPには在籍していて、ドロップ・ボトム・ゴンドラだという。これだとクラウン貨車のように積荷が砕石でも下ろすのが楽。オープン・ホッパーとしない理由は、他のものも運びたいという汎用性だと思う。
 次のNP車は1979年の撮影で、1970年にBN成立後の姿。後年はドロップ・ボトム構造を閉め切りにしてパルプウッド輸送に特化というので、砕石はホッパーへ移行したのだろう。これで行こうか。

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BN車番へ改番しない例はGNストックカーにもあった。台車軸受はローラーベアリング化されている。NP Color Guide to Freight and Passenger Equipment p82より引用

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