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2019/11/20

香港クラウンの貨車(5)スチール・カブース

How to upgrade freight car models manufactured by the Crown Products in Hong Kong, part 5: steel caboose

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手前のシルバーがクラウンのバーリントン=CB&Q車で、奥のレッドがバックマンのサンタフェ=ATSF車。

1963-1964年に製造されたクラウンの貨車5種の最後は鋼製カブース。
 これはバーリントンの銀色をまとっているけれど、経験のあるモデラーなら一目でプロトタイプはサンタフェで、アサーンのコピーとお分かりになるだろう。クラウンを引き継いだバックマン台湾の赤いATSFスキームも一緒にいじった。加工の話はホドホドにすませ、ウンチクをクドクドと‥‥。【画像はクリックで拡大】

(1)ケーディーカプラー化

14img_9617まずカプラーのケーディー化。ポケットの天板厚さが1.8ミリなので、狭幅ポケット#262+下シャンク#147は避けた方が無難。で、縦軸径2.2ミリを3.2ミリに植え代えて、標準の#148を使う。ポケット内の天地は1.8ミリあるけれど、敷板無しでも何とか行ける(ポケットのフチ高さを0.2ミリ程度削れば、ジャストフィットするはず)。欠点として、車端デッキ上面に小ネジの先が見えてしまうが、気にしない。

(2)各部修理と塗装タッチアップ

ストーブの煙突は1.6ミリ径のプラ棒からでっちあげて、シルバーを筆塗り。床下とデッキ回りはブラックの吹き付け。手すりと床下工具箱にブラックを差す。車体サイドのレタリングがカスレまくっているので適当にタッチアップ。シルバーは塗料がノリ難いのだろう。最後につや消しクリアをヒト吹き、フタ吹き。次は元の姿。
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(3)窓ガラス入れ

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窓ガラスは透明塩ビ板を木工用ホワイトボンドで接着。かつて定番の黄色い合成ゴム系と比べて遥かに楽。上の写真で見える白が接着剤。2週間後に確認したら透明となっていた。次の写真。

(4)ウエイト追加

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製品のウエイト鉄板は、ブラック塗装してプラスチックの床板上面にハトメで固定してあった。その上に30グラムの鉄板を両面テープで貼り付けて、全体をNMRA推奨値の105グラムに合致させた。
 車輪を金属化し組み立てて、完成。

クラウンが製造した6スキームはCB&Q以外に、GN、MoPac、B&O、PRR、UPらしい。不思議なことに肝心カナメのATSFが抜けている。

(5)バックマン製ATSF車の加工

こちらの加工もほぼ一緒。大きく異なる点はカプラーが台車マウントで、これを車体マウントに変更する。その際、車体ボスを0.5ミリほど削って車高を下げる。カプラー取付高さが許せば、もう0.5ミリ下げたかった。車輪金属化は長軸(26.5ミリ長)を使った。


屋根の色は、製品のキューポラだけブラックはおかしい。平屋部分もブラックとした。工具箱は、実車は車体色のようだが、落ち着かないのでブラックを筆塗り。手すりにはホワイトの色差し。あとはハシゴ上端の曲げ形状に鉄道会社の特徴を出した。
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次の写真で車体の高すぎることがお分かりいただけるだろう。枕梁とカプラーの間にダミーの中梁を設ければよかった(今からでもできるが‥‥)。

やろうと思えば小一時間でこの通り。2019-11-21

(6)アサーン、クラウン、バックマンの3者比較

例によって、アサーン(1957年)、クラウン(1963年)、バックマン(19711975年)となるはず。手持ちのアサーンは未塗装未組立の黒色。

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屋根歩み板はアサーンとクラウンが木製で、バックマンだけ鋼製のスロット型となっている。

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アサーンの車体と床板をこのまま組むと、爪が引っ掛かって抜けなくなる。皆さんはどうされているのだろう。

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床板は、手前のバックマンだけワンピース・モールドで、機器配置が前後逆。これが正しいのだろうか? (どうもサンタフェではブレーキシリンダー押棒がキューポラを向いていて、このバックマンが合致の様だ。2019-11-23)

(7)サンタフェのカブースのこと

アサーンは34フィート・スタンダード・カブースと呼んだ。どこが34フィート=119ミリ/HOスケールなんだろう? MDCラウンドハウスは一時、アサーンから供給を受けていたと思う。このアサーンを徹底的に加工する記事がMR誌の1991年9月号に載っている(1997年刊"Freight Car Project and Ideas"に再録)。実車は1927-1942年に約700両がAC&F社で製造されたことなども書かれている。図面が載っていて、ボギーセンター間距離が少し短めに見えるのもプロトタイプ通りと知れる。
 そしてこの手本をはるかに凌駕するモデルを5両も手掛けられた御仁が我が国におられた。>>"アメリカ型鉄道模型とモダンジャズ" そういう意欲を湧かせるほどに叩きがいのあるモデルだったということなのだろう。PFM/Fujiyamaのブラス製については記事「PFM社ドン・ドリュー回顧録を読んで(2)」をご覧いただきたい。
 ただし現在ではインターマウンテンがセントラリア・カーショップスのブランドで、ありとあらゆるバリエーションを発売している。クッションアンダーフレーム付までラインナップする始末である。>>同社ウエブサイト ところで、実際の鉄道のBN(の子会社C&S)が1両、サンタフェから買ってグリーンに塗っていたので、私はアサーンのアンデコをストックしていたのだが、あえなくインターマウンテンの軍門に下った。>>Cascade Green Forever!

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バックマンATSF車のサークル&クロス・ロゴを付けている姿はフェイク。実車でサンタフェと判断できるものはリポーティングマークだけで、無味乾燥と言えなくもない。こんなところがクラウンがサンタフェを作らなかった理由かもしれない。

(8)バーリントンのカブースのこと

サンタフェに対してバーリントンのシルバーは見栄えがする。全く同じというわけではないのだけれど、プロポーション的には見間違えるほどのデザインとなっている。NE-10という形式で、CB&Q 13500-13524の25両が1930年に作られ、1970年にBNへ引き継がれた。それが次のグリーンで、Railway Classicsというところの製品。>>Cascade Green Forever!

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厳密にいうと、CB&Qのシルバー・スキームはNE-10では簡略だった。これは流線型キューポラのNE-12(13525-13589)を模している。それで、車番が13540というNE-12のものになったのだろう。

古いOriental Ltd.製品を自ら塗るつもりだったのに、その頃は軟弱で手を出してしまった。

(9)台車のこと

カブースのモデリングで悩まれるのは台車のことだと思う。5年前の記事「台車探究:カブース用スイングモーション台車」を覚えていただいていると、次の3種の違いがお分かりになるはず(今回、全面的に書き直している)。

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左から、前期型(1924年-)、中期型(1935年-)、後期型(1960年代-)、と勝手に私は呼んでいる。この記事のカブースは基本的に前期型と中期型が混じっているのだけれど、一般的に入手可能なものはローラーベアリング付きの後期型ばかり。アサーンでもアトラスでもケーディーでもそう。ケーディーが出しているBettendorf-AAR(品番580)はスイング・モーション機構を備えていないから中期型ではない。同じケーディーのT Section(品番581)はスイングモーションではあるものの、古典的な初期型(1907-)。
 で、前期型と中期型はタホ・モデル・ワークスTahoe Model Worksが作っている。製品リストはここ。ただし、注文方法がイマイチ不明。私も幾ばくかが欲しいものの必要となる数を把握していないし、近年は忠実さを求める気力が萎えつつある。どなたか注文されるときにお声を‥‥(笑)

【追記】このスタイルのカブースをオーストリアのロコがATT社(1967-1970)向けに製造していた。マーカーライトをモールドしていたり車端の柵がプラスチック一体など、明らかにクラウンの金型ではない。>>ATT研究者のサイト 2019-11-23 Tony Cook氏はAHM供給のStandard Cupola Cabooseに2種類を示している。オーストラリア・ロコ製と、クラウンにさかのぼる香港ケーダー製と見てとれる。そして後者が1971年にバックマンへ移ったのだろう。>>HO-Scale Trains Resource 2019-12-10

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