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2019/11/17

香港クラウンの貨車(4)4台車フラットカー

How to upgrade freight car models manufactured by the Crown Products in Hong Kong, part 4: heavy duty flat car

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手前はクラウンで自作の積荷付き。奥はアサーンの修理途上。

1963-1964年にクラウンが送り出した5種類の貨車の中で、これは風変りな車種といえる。4つの台車を2つずつスパンボルスターで結び、その上にフラットなベースを載せる構造である。ちなみに1957年にアサーンは"50' heavy duty flat car"の名で売り出していて、こちらの方が通りが良い。【画像はクリックで拡大】

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丸太3本をエナメル線で縛りつけたこの姿が製品オリジナル。ケーディーカプラー化に加えて、すべて折れてしまった把手とステップを補作しなければならない。そして、不自然な丸太を何とかしたい。

(1)カプラーのケーディー化

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カプラーポケットは車体ではなくて、スパンボルスターの先端に仕込まれている。このポケットの天板は0.8ミリ厚でM2のメネジ代となりえないから、前回のゴンドラで採用した狭幅ポケット#262は使えない。よって縦軸径を2.2ミリから3.2ミリに取り換えとなった。この写真で加工の様子を理解していただけるだろうか。幸いポケット内側の天地寸法が1.6ミリで、敷板は不要。

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ただし、スパンボルスターの片方がゆがんでいて、そちらに下シャンクの#147を使った。正常な方は中シャンクの#148。

なお、実車通りにカプラーを車体マウントとするのは、ハードルが高い。単にポケットを切り取って車体に取り付けるだけでは車端回りがスコブる不自然な造作となってしまう。端梁からカプラーが出ているスタイルとするためには、車体を下げる必要がある。検討すると、スパンボルスターを新製すれば3ミリほど下げられそうで、プロポーションが向上する。勾配の登り口でスパンボルスターと端梁とが支障する心配もなくなる。しかし、スパンボルスターは金属で作らないと強度が出ないし、カプラーポケットと車輪バック面とが通過曲線で干渉しないことを確認しなければならない。床面高さの20ミリを実車(後述)スケール寸法の14.5ミリとすることは、製品をスターティング・ポイントとする限りは論外である。

(2)把手、ステップと手ブレーキハンドルの補作

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把手grabironとステップstirrupはたぶん右のアサーンと同じだったと思う。車体からハミ出ているためか、すべて折れていた。特にステップの形は独特で、私がこれを再現するのは無理。で、単純なコ形とした。把手が0.3ミリ、ステップは0.8ミリの黄銅線を曲げている。
 手ブレーキハンドルは、適当に見繕って1ミリ黄銅線と合わせる。組み込みは積荷を取り付けた後にして、破損を避ける。

(3)積荷の自作

冒頭2枚目の写真のように、オリジナルは丸太3本付き。実物換算で重さを計算したら50トンにしかならない。これでは台車を4つも履いて200トン積みをうたい、ヘビーデューティーを名乗る価値が無い。何かないか。ただ重量物といったら原子力関連とかの圧力容器だから丸いものばかり。それに直径が37-40ミリくらいの円筒形のブツが見つからない。望みどおりの長さに出来て接着と塗装が可能となると難しい。


写真集の"Classic Freight cars"というシリーズの第6巻にこの手のフラットカーが立方体を積んている姿を見つけた。さも重そう。理由は台枠というか基礎部分というか、下部が丈夫そうな形鋼のようになっているからと分析した(大げさな‥‥)。で、プラ板でこんなものを作った。塗装までで2日も掛かった。形は造りやすいように適当にモディファイ。発電ユニットではないようだが、何かは不問。
 色はカナリヤイエローを仮に塗っている。重電メーカーのロゴとか、見かけ上のベース取付方法とか、もう少し考えたい。別に修理中のアサーンにも何か作ってやりたい。
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中にウエイトを仕込んで75グラムとなった。車両が85グラムだから合計160グラム。50フィート車のNMRA推奨値はだいたい120グラムだが、台車が4つも付いているのだからこれくらいは要るだろう。モデルのベースは台枠と上床板が接着されていて、中に仕込まれたウエイトがいじれない。

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積荷は床下から小ネジ止めとした。台枠四隅にウエイトが入っている。奥は分解できるアサーン。
 幅は勘違いで42ミリとなってしまった。複線間隔の最小は50ミリで、他にこんな幅広の車は存在するはずがないから大丈夫(のはず)。高さはレール面上54ミリで、プレートC程度。


この角度から眺めると、無性に車高を下げたくなる。

(4)その他の情報

クラウン製品はRIの他に、Erie、PRR、ATSF、C&NW、RDGが発売された。その後、19711975年にバックマンが再発売し、1980年代には3軸台車付きへ変更となった。
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画像はeBayより借用

アサーン製品は、前述のように1957年が最初で、延々と売り続けられている。直近では積荷付きとなったが、形といい色といい、次のようにイマイチ。
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ウォルサーズは66フィートと少し長くてスケール感たっぷり。こだわりが無いならこちらがお勧め(同社サイト)。

Oゲージのブラスでは1963年にマックス・グレイ(MG)が"GSC 16-wheel flat car"として発売した。たぶん、アサーンやクラウンとプロトタイプが一緒。"GSC"を名乗っているということは、鋳鋼一体。General Steel Castings Corp.の略称。ちなみに"heavy duty flat car"という呼び名は、MR誌では1942年4月号p170で3軸台車付に対して初めて使われた。
 MGのC&NW車はウエイトが入っていないにもかかわらず660グラムとズシリと重い。次写真のようにカプラーが車体マウントで、床上面の小さな孔は丸ではなくて四角。量産品では2006年リリースのMTH Trains製が見つかる。

実車の情報をカー・ビルダーズ・サイクロペディアに探すと、1928年版には不掲載で、次の手持ちの1937年版に登場する。MGモデルには"BLT 12-30"と表記されているから1930年製となる(デカールは九分九厘Champ)。新製開始はこの頃なんだろう。次の図版は1947年版からの引用。積載重量200トン(米トン)は、ウソではない。

クラウンは雰囲気が全く出ていないけれど、これで愛着ヒトシオ!

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