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2019/12/19

AHMの6ドーム・タンクカー

AHM-red-yellow-white-logo-web.jpgUpgrading the freight cars supplied by AHM, part 2: 6-dome tank car (Roco)

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40フィート級ながらドームを6個も載せているタンク車。4両あるけれど下回りを塗れば仕舞いと思いきや難関が次々と立ちふさがる。さらに本当の積荷には呆気にとられた。【画像はクリックで拡大】

分解はあっという間。構成は至ってシンプル。最大の難物は、カプラーの車体マウント化。製品では全く考慮されていない。取り付けたい車端の歩み板は弱々しい。

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で、ケーディーのカプラーポケット#242の尾端を5ミリ延長して、その部分をタンク体下部へ小ネジ止めすることにした(過去記事を乞う御参照)。タンク体とポケットの間には1.5ミリ厚の取付座を接着する。M2小ネジの1本止めとなるので、タンク体の中に裏地を接着して、メネジ長5ミリを確保した。

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台車は製品のものをそのまま使う。材質がポリスチレンなので軸受穴にグリースを塗った。車輪はインターマウンテン製9.5ミリ径(短軸25.5ミリ長)。軸先端が底付きするときは、軸箱の上から軽く叩く。
 留意点は、車体中心ピン両側のポッチ。Bエンドだけにある。上の写真を注意してご覧いただきたい。これによって車体高さがこちら寄だけ0.5ミリほど高くなる。たぶん、車体を傾かさない配慮なのだろう。支障が無いので切り取った。なお、台車中心ピンの爪のスリ割りに縦と横の2種類があった。これがポッチと関連するようだが、4両のうちの2両、すなわち2台車しか横割り(枕木方向)が無かった。理屈的にも理解不能。

モールド色の下回りにブラックを吹く。もちろん市販の缶スプレー(D2オリジナル・ブラック)でツヤあり。タンク車の下部はツヤありが私にはシックリくる。

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車両重量は、NMRA推奨値の110グラムに30-40グラムほど足りない。不思議なことに製品のウエイト鉄板は3種類。その下にスペースが空いていて、Aライン製の鉛ウエイト(タック付)がうまい具合に納まる。1個7グラム=1/4オンスで、4個、5個、6個と取り付けた。これ、20数年来のストック。
 製品のウエイト鉄板は塗装し、固定ボスにタップを切ってM2の小ネジ1本止め。衝撃で取れてしまうかもしれないが、そのときはそのとき。

製品に表現されていない手ブレーキハンドルは、見繕って0.6ミリ黄銅線でBエンドに植えた。調べると、時代的にハンドルは水平のものばかり。完成した姿を眺めれば、ハンドルが大きすぎるし、高すぎる。適当なハンドルが4個入手できれば作り直したい。

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上回りの難関は手スリ。表題から2枚目写真のファイヤストーン車を拡大してもらうとわかるとおり、製品ではグニャグニャに曲がっている。車体から外すと上左のようになる。それを上右のように曲げ直す。0.5ミリ軟鋼線なので、折れないように慎重に。車体へ差し込んだ先は曲げないのが当方の流儀。
 この手スリとドーム脇の歩み板、それにハシゴは、車体色のイエローとすべく市販の缶スプレーを吹いた(D2オリジナル・イエロー)。色味が僅かに異なるが気にしない。で、組み立てて完成。>>Cascade Green Forever!

製品の情報を探すと、MR誌1972年11月号p24の広告(左)と1973年版カタログのp25(右、HOseeker.net)に発見した。6種類全てが1972年発売で間違いないようだ。

このMR誌広告が「ワイン・カー」としている点に注目で、実車例はワイン運搬用しか出てこない。"wine tank car"で検索すれば、たくさんのサイトが見つかった。
 プロト48ファンいわく、ワイン・タンク車はドーム数が1、2、3、4および6個が1960年代中頃まで運用され、ACF製とGATC製があった。前者はProtocraftがOスケールのデカールを販売し、後者はイリノイ鉄道博物館に実車が保存されている。Trains誌フォーラムによれば、安価なテーブルワインはブドウ生産地と醸造所、瓶詰工場が別々であることが多く、タンク車で運ばれた。6コンパートメントはスロッシングを最小限に抑えるためである。スロッシングsloshingって? あるSPファンは、AHMバージョンはモンスターと呼べるほどに大きすぎる。PSCやThomas Industriesが良いモデルを作っているという。

次がトーマスのMR誌1949年2月号p86広告。たしかに細い。"Less wine and trucks. $7.75"だとさ。

要は、私がいじった4両を含むイエローの5種類は皆フェイク。実際に存在したレタリングはRoma Wineの1種類だけ。姿かたちに加えて積荷が面白いのに、なんでAHMはもっと作らなかったのだろう。資料が無かったのか、あるいは人間の飲み物を工業製品のようにタンク車で運ぶことに抵抗があると判断したのだろうか。なおスクラッチビルドにチャレンジしたい向きには詳細な作り方がMR誌1953年10月号p44-49に載っている。

【追記】AC&F百年史にワイン・タンク車を探してみた。3ドームの6,000ガロン・クラスが1937-40年で2種45両、6ドームも同じく6,000ガロン・クラスで1939-1941年の3種15両だった。驚くべきは1955年に1ドームの8,139ガロン車を15両作っていること。さらに1966年にドームレスで4コンパートメントの100トン、20,771ガロン車を1両出していた。これらだけがACFの製造したすべてではないと思う。2019-12-22

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コメント

スロッシングとは液体が振動で液面が波打つことをいいます。その揺れで安定が乱されたりタンクが破損することもあるので仕切りを入れたりして押さえます。スロッシングダンパーといいいます。

>>ご教示多謝。特段にワインで必要となる理由は判りますか【ワークスK】

投稿: 小佐田敏和 | 2019/12/22 16:56

ワインは醸造熟成中に振動を嫌うからでしょう。

>>なるほど、了解しました【ワークスK】

投稿: 小佐田敏和 | 2019/12/22 19:55

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