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2021/03/18

MDCの36'ウッドリーファー(2)

MDC-Roundhouse 36-ft wood reefers with a little effort: part 2

抱えていた表題の製品を、ついでに仕上げることとした。


まず、ダイキャスト床板のバリを取る。欠けているステップは、車体シェル側に補作するので、こんな風に切り取る。カプラーポケットのフタ取付孔は1.6ミリ・キリで貫通させて、M2ネジのタップを切った。台車中心ピンには製品添付の木ネジを使う。
 ここでエッチングプライマーを塗布。カプラーポケットをマスキングする理由は、この内部を塗装してしまうとカプラー本体の動きが悪くなる気がするから。


クイーン・ポストとブレーキシリンダーはエポキシ接着剤で取り付けた。ブレーキシリンダーの根太に干渉する部分を削る。向きは、この左寄りがBエンドと判断した。
 トラスロッドは、製品には黒い木綿糸が添付されている。私は0.5ミリの黄銅線を使った。方眼紙に描いた寸法に合わせてプライヤーで曲げる。この精度が肝心。2つの孔に差し込んだら、床上面に突き出た両端を内側へ同時に指で曲げる。これでピタリと決まる。なお、Tichy Train Groupのクイーンポストとターンバックルは0.015インチ(=0.38ミリ)を想定している(同社サイト)。 このターンバックルをお金を掛けずに再現する方法は無いだろうか。
 トラスロッドが張れたらエッチングプライマーを筆塗りし、床下面全体にマット・ブラックを吹き付ける。


屋根上の氷塊投入ハッチは、失っていることが多い。私はプラ板から適当に補作。黒や茶色だから目立たないとばかりに単純な形とした。貼り付ける位置が指定されていないので、手ブレーキハンドルに干渉しないように注意。タッチアップの色合わせは上手くいった。

なお、車体側面に"VENTILATOR"または"VENTILATED"と表記されている車は、投入ハッチを半開きにして走行風を車内に導く機能を持っている。すなわち通風車代用。ハッチ支え棒に何か仕掛けがあるはずなので、本来は作り分けなければならないと思う。
Train199905p104
上の写真は、松本謙一氏が“とれいん”誌の「本誌読者だけに教えるアサーン貨車キット攻略法」という全6回のシリーズの第1回で解説されたもの(1999年5月号p104)。ただし、これをやると、いつの間にかハッチを失ってしまう :P

30IMG_4814.jpg
ステップの補作はこの様。プラ板から「コ」の字形を切り出す方法はここを乞う御高覧

さて問題は、車体側面のレタリング。バドワイザー車の白頭ワシが情けない。ネットを探したらMTHのOゲージがよく似ていた。これを台形変形して原画とし、デカールを作った。解像度がイマイチな点は残念。この変形をKeystoningというらしい。PRRファンならピンとくるはず。

使った製品はインクジェット・プリンタ用のガイアノーツ「おうちdeデカール」。10年ほど前に買って棚の肥やしになっていた。何しろ使い方が大変に難しい。先日、電器量販店でエレコムの「タトゥーシール」というものを見た。一般人向けに販売しているのだから簡単かと思ったけれど、どうもガイアノーツ製と同じ品。A-ONE社にも同様の製品があるようだ。
 ホワイトとクリアがあって、共に隠蔽力が弱く、貼り付け面が白でないと我々のモデルでは使えない。それで2年前にはシールとした。

実際の作業方法はネットを検索していただきたい。一旦ブランクデカールへ転写して、それをモデルに貼り付ける。私の試行錯誤の様子を前回のクアーズ車でお見せする。


左が、直接シールを車体へ転写したもの。膜の縁が見えない点はいいのだけれど、位置決めができず、少し動かそうとして画像が乱れた。右は、一旦ブランクデカールへ転写してから、車体へ貼り付けたもの。ただし、元のマークをそのままとしていたために、それが透けて見える。ホワイトタイプにも隠蔽力は期待できない。


この右は、その元のマークを剥がして、下地を綺麗な白の状態にしてからデカールを貼ったもの。修正に次ぐ修正で周囲に付着した汚れは、水性アクリル塗料の白で誤魔化した。幸か不幸か、デカールと製品のパッド印刷は、セロテープで簡単に剥がせる。また燃料用アルコールを綿棒に含ませて擦ったら、印刷は落ちて、塗装は溶けなかった。この溶解の関係は、メーカーや製造時期によって異なるので、いちいち確認しなければならない。

最後にオーバーコートとして、プラ用ラッカーのツヤ消しクリアを吹いて出来上がり。>>ガラクタ・ボックス

【追記】掲示板の方に松本哲堂さんから頂いたターンバックルのアイデアは、ビーズ手芸で使う「管玉」。写真の小さい方が直径1.7ミリ×長さ2.5ミリ、大きい方が1.9ミリ×5ミリで、ユルユルで0.5ミリ黄銅線を通せた。今回のような後付では使いにくいが、最初からなら何とかなりそうだ。2021-03-23
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