MDCのCP Railヒーターカー
雑誌やネットを調べたら,ヒーターはアルコール燃料だという.床下に燃焼器とタンクがあって,40フィート車は大きさの見当がついたものの50フィート車が判らない。その頃に出入りしていたMRフォーラムに,「なぜ灯油keroseneではなくアルコールなのか」などと問うてみた.答えは判然としないが,サーモスタットによる温度制御が可能ということらしい.値段や,臭い,燃焼安定性も要因のようだ.つまるところ,1880年に始まったイーストマンEastman・ヒーターカーが灯油で,第2次世界大戦前後が木炭charcoal,その後にアルコールへと代わった.現代でも続いているかは不明.
次の写真は40フィート車で,床下機器の大きさを割り出そうと,画像を変形したところ.
The original photo was obtained from TrainResource.com
Railroad Picture Archives.NETなどを見回しても,MDCモデルに似た50フィート車は見当たらない.それで,スムーズサイドかつ旧式プラグドアの40フィート車の車番を付けたのだろうと結論付けた.床下機器の形状はもう,適当に決めた.
page 290 of the Oct. 1980 issue of the Official Railway Equipment Register
ウォルサーズも同様の製品を出していた(eBayへの出品).ただし車番は50フィート車のもの.
屋根歩み板の一部が欠けているので,それが撤去された姿に仕上げることとして,時代を1980年頃に設定した.床板は加工の便を考え,ダイキャストをプラスチックに取り換えた(MDCのFMC用余剰品).6か所のステップstirrupは,0.5ミリ黄銅線で補作した.車体裾の欠けた部分や床板取付孔はプラ材で塞いだ.
車体側面4か所の換気口はプラ板から切り出し,その下端の斜めの向きを50フィート車に合わせた.引き棒は0.4ミリのリン青銅線を使った.
RサイドのパックマンPacmanのホワイトを修正する.手塗り.
最大の難関は屋根上の塗装で,缶スプレーのイエローが明るすぎた.
1年ほど間を置いて,調色したイエローを屋根に筆塗りしたら,ハケメも目立たずに上手く合ってくれた.溶剤を多めにしたことが奏功したのだろう.
屋根歩み板撤去の姿から,本来ならAエンドのハシゴは下半分としなければならないが,塗装済み車体を弄ることは不可能.それで自作のステッカー”KEEP OFF ROOF NO RUNNING BOARDS”をこちら寄にも貼り付けた(過去記事).COTSは製品が白黒反転だったので,市販デカールを貼り重ねた.
そしてツヤ消しクリアを吹いて出来上がり.
パックマンPac-manとあだ名をつけられたシンボルマークは,1968年にカナディアン・パシフィック鉄道が"CP Rail"へ公式名称を変更した際に採用された.1980年に登場したナムコのコンピュータゲーム、パックマンに擬して鉄道ファンに呼ばれる。正式には"Maltimark"といい、多様な業態を展開する意味が込められ、分野によってバックカラーを使い分けた。鉄道は基本的に赤色(主に機関車)。1980年代を通じて事業の撤退や統合が行われ、鉄道では1988-1996年にマークが消滅した。
時代的にBNと相性が良いので狙っているものの,人気があって中々難しい.
なお,相談したMRフォーラムはここ. 画像収録元はCascade Green Forever!
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コメント
貨車の暖房車(?)は、Bangor and Aroostook のpotato carを知っていましたが、他にもあったのですね。日本でも寒い地域があるのに、貨車の暖房車がないのは、断熱の効く冷房車で代用していたのだろうか。
>>お久しぶりです.
信州上田で雪の中から白菜を掘り出して,普通に食した記憶があります.また金沢の百貨店で配送のアルバイトをした折には,暖房の無い倉庫にメークインが山積みでした.北海道発のポテトコンテナ列車や運搬船にも特段の備えは無さそうです.米国北東部やカナダが異常に寒いのでしょうか【ワークスK】
投稿: 宮崎繁幹 | 2024/03/23 21:37