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2024/10/12

マッキーンの4ベイ・カバードホッパー トランプと金正恩の落書き

A McKean Models 4-bay covered hopper car model (ACF CF5701 CenterFlo) with Trump-Kim Jong Un "Rocket Man" graffiti decal by Circus City Decals

アメリカ大統領選挙でドナルド・トランプ氏の雲行きが怪しくなってきた.この11月に敗北したら次の挑戦はしないと明言もしている.そうしたら表舞台からは永遠に退場だ.
 えらいこっちゃ!

なぜかって?
 手持ちのデカールが"旬"を失っしてしまう‥‥.【画像はクリックで拡大】

普段ならグラフィティ=落書きデカールは毛嫌いしているのだけれど,これはウィットが効いていて面白そうだと買いこんでいた.サーカスシティ・デカールズ社の製品.2019年頃,当時現職だった同氏が北朝鮮の金正恩氏と丁々発止やり合っていて出現し,大評判となった"作品"だった.


Circus City Decals 

本来はUPの2段積み自動車運搬車に描かれていて,土台となるモデルはウォルザーズとかインターマウンテンに製品があって困ることはない.けれど,この凹凸の激しい車体側面に貼るのは大変.それに反対側が月並みで,単にウェザリングするだけ.そりゃあ面白くない.当然だけれど,向こうの連中が数多く手掛けていて,しかも当方なんかより,はるかに上手に仕上げているはずだ.


Railroad Picture Archives Net modified

じゃあ,安直にササっと仕上げよう.うまい具合にデータオンリー貨車の手持ちがあった.リポーティングマークをそのままに,空白部分が寸法的に丁度いい.両面を埋められる.表面が平滑だからデカール貼りに最適.
 McKean社が1990年に売り出して2011年頃に求めたもの.モデルとしてはACFのCF5701という4ベイ・カバードホッパーである.積み荷は軽いプラスチック粒あたり.

全く問題が無く貼れた.ただ,メーカーは写真をそのまま原画に落とし込んだだけのようで,少しはレタッチして欲しかった.
 もちろん,実車とデカールは車種も時代も異なるから,表記類は胡麻化さなければならない.そのあたりは,水性アクリル塗料で塗り潰した.ボークスが扱っているファレホVallejo(スペイン製)を使った.
 一番難しい点は,クリアのオーバーコート.デカール面とそれ以外の面とでツヤを揃えることがすこぶる難しい.つや消しクリアの缶スプレーが扱いにくいのだ.薄く塗っても,厚く塗り重ねてもツヤが消えてくれない.どなたかコツを伝授いただけないだろうか.

ところでこのMcKeanのキットの来歴を記すと,当初は1989年にフロントレンジ・プロダクツ社が売り出したもの.翌1990年,その製品群をマッキーン社が引き継いだ.
 これを含めて3両を入手しているが,どれもモールドがところどころ異なる.実車と乖離した部分は見当たらないので,金型設計が拙く歩留まりが悪かったのではないかと勘ぐっている.アサーンなんて,間違っていても,湯流れに欠陥があっても,押し通した.経営にはユーザーに媚びない強引さも必要なのかもしれない.

次はウエイト取り付けの様子.ヤマテ金属の鉛ブロックが便利で,このところ愛用している.>>過去記事

屋根歩み板の左右を繋ぐランナーは切り取る必要がある.

コレクションの展示はCascade Green Forever!

【追記】米大統領選の関連で情報室に挙げてあるネタが二つ.一つは,日本語をしゃべるアメリカ人が「ペンシルバニア」と発音したこと.もう一つは,トランプ氏が狙撃された都市がペンシルベニア州バトラーで,かつてのプルマン・スタンダード社の工場のあったところ.まさにラストベルトの真っただ中というわけ.2024-10-15


写真は1994年刊"Bessemer and Lake Erie Railroad In Color"の96頁で,David Bear氏による1987年10月の撮影.すなわち工場は、Trinity Industries傘下の時代.


【追記2】選挙結果には唖然とさせられた.事前の報道では調査はどれも接戦だったはずなのに,結果は226対312(NHK).なんという大差だろう.トランプ氏が勝つと予想した報道関係者は存在したけれど,それは単なる感想.選挙は数の勝負なのだから,データが伴わなければ,意味がない.では,何が調査機関を狂わせたのだろうか.二つを考えた.

一つは,サンプリングされた調査対象者がウソを答えたこと.日本で10月27日に行われた衆院選で,当方は6回も電話を受けた.さすがに呆れて,6回目は適当に答えておいた.これと同じことがあっちでも起こったのではないかと思う.

もう一つは,切り分けの不適切.日本国民は割と均一だから分類するグループの数は多くないはずだ.分けても年齢別とか性別ぐらいだろう.それぞれの母数毎に分別して投票率とかを乗算すれば答えが推定できる.
 ところが米国は,人種が複雑だ.さらに同じラテンアメリカ出身でも移民した時期によって考え方がまるで異なる.いきおい,それぞれのグループは小さくなり,誤差が大きくなる.これ,クラスター分析といったかな.

それにしても世界中が不安定になってきたと感じる.ブロック経済とか世界史で学んだ第二次世界大戦前夜の様相だ.2024-12-15

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コメント

私の場合、缶スプレーのコツで最も有効なのは、缶スプレーを使わないことです。缶スプレーは、塗料が一度にドバッと出ていまって、厚塗りになったり、垂れたり、手軽なようでいてコンプレッサとエアーブラシを使うより、はるかに難しいと思います。エアーブラシでアクリル系塗料を塩梅を見ながら騙し騙し吹き付ける方が、はるかに成功率が高いです。

>>はははっ,情けないことにエアブラシはカラッキシです【ワークスK】

投稿: 川口雄二 | 2024/10/15 19:47

タミヤの艦底色スプレーなどを用いた半艶塗装面にはデカールがなじみにくいですし、おっしゃる通り、デカールの艶と塗装面の艶の差も気になります。
そこで、私はデカールを貼る前に塗装面をコンパウンドなどでピカピカに研いています。私のは小さいNスケールなのでそれほど大変ではありません。
塗装面とデカール双方を一旦「艶あり」に寄せてから半艶クリアスプレーでドバッと覆う感じです。大きなHOスケールでは磨くのが面倒かもしれませんが、、

>>問題はツヤ消し缶スプレーでツヤが消えてくれないことなんです.事前の振り方が足りないのでしょうか【ワークスK】

投稿: arx | 2024/10/17 12:34

艶消しにならない、ということならそうかもしれませんね。
改めてネットで検索してみなしたが、1)晴れた日に、2)よく振ってから、3)数回に分けて吹き、4)最後空吹きしてからノズルを拭く、くらいしか見つかりませんでした。他に私がやっているのは吹く前にズボンのポッケで「人肌まで温める」くらいですね
ワークスKさん独自のコツとかありますか?

>>晴天日はカブリ防止,缶圧上昇は飛沫微細化‥‥うぅぅむ.このあたりにヒントがあるでしょうか【ワークスK】

投稿: arx | 2024/10/18 12:09

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