2017/07/22

京阪びわこ号の連接構造は(2)

The articurated constraction of the Keihan's Biwako trains, part 2: from Nigel Gresley to Biwako

5dad4215 この21日、レイル103号が発売された(オフィシャルHP)。なんと、"びわこ号"特集。全100頁の内、半分の50ページというから驚き。

 グラフページの、天満橋での停車中や、複々線を疾走する姿は、初めて目にする。1935年頃という守口工場での台車単体も凄い。こんな写真はどうやって発掘できたのだろうか。

 いやいや、「登場の謎」を追った中山嘉彦氏の一文こそ目を剥く。なにせ注記と参考文献だけに5ページも費やされているのだから。
 要は、"びわこ号"は鉄道会社の戦略の一環という説と、連接構造は車両課長の米国視察の結果という風聞が夫々正しいのかという疑問を、資料を探し出して検証する思索と証拠の積み重ね。読み物というよりは、学術論文。

 もちろん当方の興味は連接構造。
 英国の蒸機技術者として知られるナイジェル・グレズリーの名前が出てきて仰天。【画像はクリックで拡大】

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2014/07/16

国鉄ED14にまつわる大いなる謎(1)

A great mystery of the JNR ED14 electric locomotive, built by GE & Alco in 1926

メキシコのウソ電機 さて前回、メキシコの電気機関車を模したこのモデルは、「台車枠が傾く」と書いた。図に描くと右の様。何のことかと問われたので、ざっと説明したい。
 実をいうと今まで、これを指摘したテキストを見たことが無い。また御存じという方にお会いしたことも無い。しかし、事実をお知りになれば、直ぐにご納得いただける理屈。

 まあ、年寄りはいつも昔話から始める。
 40年前の学生の頃、国鉄ED14をOJで自作しようと思い立った。【画像はクリックで拡大】

Jnr_ed144_ktm
JNR ED144, GE/Alco 1926 (KTM O gauge 3-rail)

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2013/05/08

電車はどうして曲がれるのだろうか? 地動説的解説

How do trains turn in curves smoothly? Why did GE (Steerable Trucks), EMD (HTCR) and GATX (Barber-Scheffel Trucks) adopt the steering trucks? Conical tread is not useful on sharp curves. Works on sections that probably run at speeds above 50 mph, gentle curves which radii above 2000 feet and straight lines. That is, in models it only looks good. Is there anyone here who can understand what I mean?

99dsc05785 ちゃんと説明せよ!
 ということで、取り急ぎ
 万人向きでない点は乞う御容赦

 とりあえずアップして、少しずつ手直しするつもり。難しい理論なんてものは無くて、あるのは、誰にでも理解できる簡単な道理だけ。ただ、一般的な認識からは外れるので、信じてもらえるか否かが大問題。【図はクリックで拡大】電車はどうやって曲がるのか 電車が曲がる原理は 電車はカーブでなぜ脱線しないのか

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2013/02/25

フカヒレ・イコライザーの改良試作(3)

An improvement of the Shark-fin equalizer system for four-wheel equipments, part 3

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[3] 比較用非連動タイプのモデル

 それでは、ボギー台車の中心ピン構造を、2軸車に応用したモデルをご覧いただきます。これは比較用で、この後に“ふかひれ”イコライザーで連動させたものをお見せします。
 各部の作用は、文章にすると大層なものの、写真だけでもご理解いただけるはずです。【画像はクリックで拡大】

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2013/02/24

フカヒレ・イコライザーの改良試作(2)

An improvement of the Shark-fin equalizer system for four-wheel equipments, part 2

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 さて、今回のアイデアは、いわゆる“フカヒレ”イコライザーの変形です。
 ただ、実態を有体にお見せすると、ロクなものでないことが直ぐに露見してしまいます。よって、さらに前口上で引っ張ります。

[2] ボギー台車の安定性

 話はコロリと変わります。【画像はクリックで拡大】

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2011/09/16

京阪びわこ号の連接構造は(1)

The articurated constraction of the Keihan's Biwako trains, and other articurated cars around the world

京阪びわこ号

 前回は、びわこ号が連接車となった理由の推理でした。
 じゃあ、その構造はどうなっているか、とモデラーなら疑問になりますよね。

 そう、さすがは我々の先輩で、ちゃんと探究しておられるのです。
 60年も前の鉄道模型趣味誌1951年7月号、「電車巡り第12回 京阪電鉄」に言及がありました。上の写真は、ツバメ模型店写真部、植田正博撮影、御陵(みささぎ)駅にて、となっています。【画像はクリックで拡大します】

京阪びわこ号の連接構造

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2011/09/14

京阪びわこ号が連接車となった理由

Why the Keihan's Biwako trains equipped articurated truck?

 先日、模型店巡りをしていたら、貼ってあったポスターに「京阪びわこ号製品化決定」とありました。
 私の連想は、「ストックしているモデル8のキットをどうする?」といったところですが、世の中一般には大歓迎でしょう。

 現役時代に、広報担当者から「どうして連接構造を採用したのか」と質問されたことを思い出しました。【画像はクリックで拡大します】

Bn_biwakogo

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2009/10/27

操舵台車の妄想が拡がって

Img_1439a  先日、寝屋川工場でファミリー・レールフェアなる催しがあって、何年か振りで訪れました。まあ、人手として駆り出された形ですけれど、あまり変わっていませんでした。
 そこでは意外にも、展示してあった台車が人気でした。単に「見慣れないから」ということでしょうが、自由回転車輪付などというマニアックな台車の周囲に人並みが引きも切らず、私もカメラを構えたもののこんな写真しか撮れませんでした。
 また先日は、鉄道ホビダスの編集長敬白で「パブロ・モデリングが自由回転車輪を試作」などと伝えられたりして、またぞろ“薀蓄”の虫が疼き出しました。
 またか! でしょうが、そう言わずにお付き合いください。【画像はクリックで拡大します】

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2008/10/25

井上順二氏の1/24、EF62は台車が凄い

Jimg_3212
 関西合運2008で私が目を丸くした作品の一つに、表題の45mmゲージ電気機関車があります。JAM大阪大会でもお見せいただきましたが、とうとう全体が形になってきました。

 車体は実物通りに骨組みから作られています。屋根が張られはじめたところで、モニタールーフや側面通風口は取り外し式になるようです。なお、骨の繋ぎ目はハンダ付(ロー付?)にピンを併用しているとのことです。

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2008/03/10

幻のコール・タービン機関車

 久しぶりのBN本ということで楽しみにしていたモーニング・サン・ブックス社の"Burlington Northern in Color"が、あっけなくも第3巻で完結してしまいました。第1巻が1970年のBN大合併前まで、第2巻が1971年のアムトラック発足前後まで、という具合でしたから、残り1995年までの24年間を少なくとも3冊ぐらいで語ってくれるものと期待していたのですが、たった1冊で終わってしまったんです。それも1980年に加わったフリスコを含めてですから、カスケード・グリーンのページはそれほど多くありません。

 ただ、中に初めて知る話も載っています。BNには縁のないものとばかり思っていたターボトレインが1971年8月、旧CB&Qのメインラインを走ったんですね。単なるデモンストレーションとのことですが、以前に紹介したアムトラックのタルゴCSXのAC4400CWと同様に私のBNコレクションに加えてもよいかなという気になってきつつあります。

 さらにもう一つ、驚くべきは石炭燃料ガス・タービン機関車の計画です。【画像はクリックすると拡大】

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